第3章

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どうして どうして、これを我慢しなければならないのか。僕には理解できなかった。 デタイ、ダシタイ、イタイ、ツライ ちょっとでも気を抜けば、もう盛大に撒き散らしてしまいそうな程、そして一歩間違えれば、部屋自体をクリーニングしなければならないだろう程、切羽詰まった状況。 意識を飛ばしてしまいたいがそうしてしまったら、あらゆるところに弛みが生じる。 目の前が回る。苦悶に耐える僕の脚は既に限界を超えて、意識とは無関係に痙攣を始めた。 ヌルリ、と掌がまた僕を包んだのは 今までに見た事のないくらい、卑猥で色気に満ちたその彫刻のような顔の主。 「和泉、君のファルスは本当に綺麗だ」 握り締めながら呟かれたその音を遠い所で聞いたと思った瞬間、僕の身体は宙に浮いていた。 連れて来られたのは、トイレ。 男の僕を軽く掬い上げ、便座に座らせる。スローモーションだった。その経緯が全てスローで見えた。 今度は僕のを逆手で握り、完全に放出を目的としたスピードで擦りあげ、耳許に囁く。 ‘いいよ’ 許可がオリタ。 もぅ、ハッキリは覚えてはいないが 天地が逆さまになり、血が逆流したかと間違うくらいに 僕の身体は絶世の極致へ放り投げられた。
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