第4章

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興味が無いとはいっても、‘可愛いな’とか‘綺麗だな’とか、そんな風には思う。 だけど、‘ヤりたい’とか‘付き合いたい’とかそんな感情が全く薄れてしまっていた。 そんな梅田さんも、かなりの見てくれピカピカキャラだけど、普通に可愛いと思う。 「ね、門倉くん、松岡先生と一緒に住んでるんでしょ??」 それに、梅田さんは大の松岡先生ファンだったりする。見た目、とっつきにくそうな彼女だったが、このところ土日以外は毎日顔を合わせているからか少しずつお互いに慣れてきた。 そんな事もあって彼女は毎日なんかしらの先生情報を聞き出そうとしてくる。 「いいなぁ、先生といつも一緒にいられて」 ほら。きた。そうだ。普通はそうなんだ。 普通はいいなぁ、と言われるくらい、それくらい近い。別棟だけど(今日は特別だったけど……)共に生活している感が羨望されるくらいの間柄。 「やだ、梅田ちゃん、松岡先生結婚してるのよ」 「知ってますよ、そこがまたいいんじゃないですか!」 千恵さんの忠告なんてなんのその、梅田さんはあっけらかんと笑う。 「あんなイイ男が結婚も何もしてない方が怪しいでしょ? ちゃんと家庭を築いてる、っていうクレジットが、また堪らない」 「あー、あー、そうね、そう」 ケタケタと笑う千恵さんもいつもの事だ、と笑いながら本を開いた。
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