小嶋美智子の過ち

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私は泣きながらそう言った母がかわいそうで、仕方がなかった。 いくら待ってみても、私たちの生活は、少しも改善なんてしないのに……。 お母さんだって、本当はそのことに気づいているはずなのに……。 私には、はっきりとわかっていた。 私たちが、破滅に向かっていることを。 こんな荒んだ生活が、破綻しないはずはない。 私たちは、沈むことがわかっている船から逃げなくてはならないのに……。
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