第1章

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中学生。楽しいことなんて一つもない。なぜかって?恋愛したくてもできないし、勉強は難しいし。友だち関係も難しくなってくるから。 私の名前は如月さや。恋愛経験なし。 中学2年生になった今も彼氏は相変わらずいない。 あれだ、非リア充とかいうやつだ。 私の周りには彼氏や彼女持ちの子がわんさかいる。心友の佐藤萌々果でさえ一年記念日を迎えた彼氏がいる。心底羨ましいと思う。 いつも彼氏がほしいと思うけれど、実は私…男絡みが苦手。あぁ、だからか。 だから彼氏ができないのかな。そういうことか。 …何考えてんだろ。 そんなことを考えながら朝ごはんを食べていた私に心にズキッとくる言葉がキャバ嬢のママからなげかけられた。 「さやってまだ彼氏いないんだっけ?もー。ママみたいにパパみたいな優しくてかっこよくて料理もできる、いい人見つけなさいよ~?」 でた、ほらでた、ママのパパ自慢。毎朝聞かされてるから慣れてますよっと。 私のパパは、大手デザイナーの社長をしている。 自慢じゃないけど私の家はパパのおかげでプールや別荘も付いている豪邸と言える家だ。 何回パパの友達や、私の友達、ママの友達が来たことか。はぁー。そんなことを考えているうちに時刻は7時35分。やば!!家から学校まで20分はかかるのに。ママのバカ… 「行ってきまーす!!」 食パンを片手に持ちながら勢いよく飛び出した私。 なんか、よくドラマである主人公みたいだ。 なんか誇らしくなってひとりでぼやいていると、 心友の萌々果が前を歩いていた。しかも手を繋ぎながら。誰と?そりゃ言わなくてもわかるでしょうよ。彼氏さん。そう彼氏。朝っぱらからもイチャイチャしやがって。バレないように顔を見られないように通りすぎる予定だったけど。 「さや~?おはよっ?何コソコソしてんの??ねぇ修也!さやが変なんだけどー」 「さやちゃんなにしてんの?」 なんだこいつら。私そんなに、変だった? 確かに食パン片手に持ってるけど。 「べ、べっつに~。ていうか、二人とも相変わらず朝からイチャイチャしてますね~。遅刻しますよ~。てことで、私は先に行くからー!じゃ!」 そそくさと逃げ出す私。忍者かよ。はぁ~疲れた。やっと学校に着いた。そしてまたいつものかったるい一日が始まるのか。もう嫌だ。帰ろっかな。そう思った時。横を通り過ぎる男の人がいた。その顔は見たことないほどイケメンだった。           
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