第二章

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人が増えたということは、何かしらの行動を起こすのかもしれない。 どちらにせよ相手が分からない以上、下手に手出しは出来ない。 せめて相手の人数と位置を知りたい。 やっぱりアレを使うしかない、か。 「... ... ... ... 冬瑠、すまないが... 」 「分かってます。僕の能力が必要、なんですよね?」 やはり俺の態度で分かっていたようだ。 先程とは打って変わり、真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。 「ああ。お前が消耗するのは十分承知している。しかし... 」 「大丈夫です!僕はお兄様の役に立ちたいんです!」 「冬瑠... ... 」 俺は正直迷っていた。 本当は冬瑠にあの能力を使わせたくない。 お前を苦しめると分かっているから。 だがお前に危害が及ぶのはもっと避けたい。 「よし... ... 。お前に任せる」 「了解です。... ... じゃあ、やります」 「頼む」 俺はせめてと思い、冬瑠の手をぎゅっと握りしめた。 冬瑠も安心したように握り返してくる。 そして瞼がゆっくりと閉じられ、 「『フォーカス・イアー』」 能力が発動された。
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