第二章

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「... 分かりました」 冬瑠は渋々ながらも頷いてくれた。 「あまり無理はするなよ」 「了解です」 俺は一度深呼吸をする。 作戦開始だ。 「じゃあ行くぞ。3、2、1... ... 、走れ!」 合図と共に俺達は勢いよく走り出す。 が、俺はめいっぱい右足を踏み込んでブレーキをかけた。 俺と男達との距離は約50m。 制服で動きにくいが、なんとかなるだろう。 俺の視線が奴らを射抜く。 そして次の瞬間、俺は加速するように一歩足を前につきだし地面を蹴りつけ、大きく跳躍した。 しかし表現としては、この場合地面を低空飛行したと言ったほうが多いに当てはまる。 「なっ... ... ... !?」 滞空中、黒い格好をした男達の驚いた様子が見えた。 それもそうだ。 急にUターンしたと思えば、50mは軽く越すであろう間合いを一瞬のうちに詰められているのだから。 しかも地面ギリギリを飛んでいるため、到底目では追えない。 瞬きをしたら、俺が目の前にいるようなものだ。 だがこれは別に冬瑠のように特別な能力ではない。 俺はただ、跳んだだけにすぎないのだから。 言うなれば、俺は... 。
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