第二章

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俺はしばらく考え込んでいた。 こいつらは冬瑠にだけ用があると言った。 この一ヶ月一体何を調べていた?何を確認したかった? いくら疑問の念が浮かんでも答えには到底たどり着かない。 最初に沈黙を破ったのは以外にも男の方だった。 「... お前は『厄災』を知っているか?」 「太田さんっ、それは... ...!」 「大丈夫だ。口を滑らせるようなことはしない。で、どうなんだ?」 何かと思えば急に話題を変えてきた。 相手の心理は定かではないが、話を逸らそうとしているとは考えにくい。もう今さらだ。 それにずっと黙りこんでいた部下でさえ思わず口を挟んでしまう慌てぶり。 今までと関係が無い訳ではないはずである。 「... ... 17年前の『神ノ森の厄災』から始まった、不定期に発生する原因不明の災害のことだろう」
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