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俺が生まれた年に起こった最初の『厄災』、『神ノ森の厄災』は死者1万人、負傷者7万人を越える大災害となった。
しかし原因は今だ謎らしい。地震や津波、ましては人為的なものでは一切ない。
災害の中心である神ノ森市はほぼ全壊。今現在でも調査のために報道規制され、もはや『市』丸ごと消えたと言っても過言ではない状態だ。
それ以降低確率かつ被害は格段に抑えられているが、日本全国で『厄災』が起き始め、今日(コンニチ)もその状況は変わらない。
「そう。何の前触れもなく突如建物が崩れ始め、地震でもないのに地響きがする。だがこれは決して自然現象ではない。我々はその真実を知っている。」
「真実?その真実と冬瑠とは何の関係があると言うのだ」
「あまり驚かないんだな... 。が、それ以上は言えない。あれだったら俺を拷問でもしてみるか?ま、無駄だと思うがな」
ふふふと男は不適な笑みを浮かべる。
『厄災』の真実が分からない限り、冬瑠との関連性も明らかにならない。
しかし、悔しいがこいつは絶対に口を割らない。つまりはそういう奴なのだ。
「ま、お前の気が変わらないうちに今日は帰らせてもらう」
「... 返さないと言ったら?」
「お前はそんなことは言わない。そうだろう?天音空夜」
「... ... ... ... ... ... 」
初めて名前を呼ばれた上に、何もかもを見透かしたような口振りは非常に腹が立つ。
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