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だから、俺を敢えて一人にしたのだ。
どうせ自分のために余計な気を遣ってほしくなかったのだろう。
「全く... ... 。それこそ余計だ」
言葉とは裏腹に、俺の口元は笑っている。
やはり俺は嬉しいのだ。
冬瑠とは違い、俺は他人どころか自分の感情さえ把握できない時がある。
それを教えてくれるのは冬瑠だ。
だからこそ。
今溜め込んでいる雑念をどうにかしなければならないのだが、
「... 行こう」
とりあえず文房具売り場に向かおう。
俺は一旦考えることを放棄した。そのための買い物だ。
踏み出せば、少し足取りが軽くなったような気がしたのは気のせいだろうか。
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