第三章

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「え、えー... っと、折角だし、お話ししたいなぁって」 俺の反応が予想外だったらしく、戸惑いが明白だ。 確かに見た目は中の上だし、世の中からすれば『かわいい』分類に入るのだろう。 だが俺をそいつらと一緒にされては困る。正直腹立たしい。 「私は貴方にお話しすることなどありませんよ」 「そんなぁ。ちょっとくらいいいじゃないですかぁ」 「... ... ... ... っ」 そう言って、俺の袖をわざとらしくぎゅっと掴んでくる。 思わず振り払いそうになってしまった。 最近イライラしていたせいか、俺の忍耐力は随分低下しているらしい。 やばい。 何かが切れたような音がする。 「... うざい」 「... ... ... ... え?」 ボソッとだがとうとう口に出てしまった。 俺はこの時、恐ろしいほどに冷めた目をしていたに違いない。 こうなってはもはや止まれなかった。 「貴方は自己陶酔されているようてすが、他の男と同じように私も落とせるとでも思っているのですか?勘違いも甚だしい。私は貴方に何の魅力も感じませんよ」 「なっ... ... ... 」
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