第四章

2/11
前へ
/80ページ
次へ
「どっからわいてでたんだ... ... 」 ただただ呆然と見つめていた。 およそ俺達以外見えないであろうアレは、ほっとけばここ一帯を破壊尽くすだろう。 何故他の人間には見えない。 今までどうやってあんな『怪物』を止めてきたんだ。 次々と疑問が浮かび上がってくる。 いや、それよりも。 俺達はこれからどうすれば良い。 「お兄様っ!こっちに向かってきてますっ!!」 「ちっ... ... ! 」 冬瑠の荒々しい声で頭が一気に冴える。 『怪物』はその場所に飽きたのか、次のターゲットは今いる森林公園のようだ。 あのパーツを歪に組み合わせたような黒い巨体が一歩進むたびコンクリートは深く沈み、地割れを起こす。 車は圧力で潰れ、電柱はものの一振りでなぎ倒される。 まさに悪夢のような光景が目の前に広がっていた。 「お兄様、もっと遠くに逃げましょう!」 「... ... ... ... 」 「お兄様?」 「... 俺がアレを食い止める。だからその間にお前はできるだけここから離れろ」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加