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「どっからわいてでたんだ... ... 」
ただただ呆然と見つめていた。
およそ俺達以外見えないであろうアレは、ほっとけばここ一帯を破壊尽くすだろう。
何故他の人間には見えない。
今までどうやってあんな『怪物』を止めてきたんだ。
次々と疑問が浮かび上がってくる。
いや、それよりも。
俺達はこれからどうすれば良い。
「お兄様っ!こっちに向かってきてますっ!!」
「ちっ... ... ! 」
冬瑠の荒々しい声で頭が一気に冴える。
『怪物』はその場所に飽きたのか、次のターゲットは今いる森林公園のようだ。
あのパーツを歪に組み合わせたような黒い巨体が一歩進むたびコンクリートは深く沈み、地割れを起こす。
車は圧力で潰れ、電柱はものの一振りでなぎ倒される。
まさに悪夢のような光景が目の前に広がっていた。
「お兄様、もっと遠くに逃げましょう!」
「... ... ... ... 」
「お兄様?」
「... 俺がアレを食い止める。だからその間にお前はできるだけここから離れろ」
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