第四章

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「そんなっ... ... ! 無理です!なら僕も一緒に... ! ! 」 「それはできない」 「どうして!?」 「そんなの決まっている」 それだけ言うと、俺は冬瑠の目線と合わせるため腰を屈め片膝をついた。 それから安心させるように柔らかく頭に手を置く。 「俺はお前を死なせたりしない。絶対に」 「お兄様... ... 」 『厄災』の真実を知っていると言ったあの男達は、もしかしたらアレが見えているのかもしれない。 だがあいつらに頼るなど俺のプライドが確実に許さない。 それならいっそ俺だけが犠牲になれば良いだけの話だ。 お前が不安になるようなことは何一つない。 「... ... 何を言っても、駄目、ですか?」 「ああ。けど心配するな。『化け物』の相手は『化け物』がすれば良いだけのことだ。それ以上に俺は... ... 」 本当にお前のことが大事なんだ。 「... ... ... ... ... っ」 この気持ちは伝わっただろうか。 ゆっくりと頭から手を離すと、冬瑠は俺を一度も振り返ることなく無言で駆けて行った。 冬瑠の体温だけが手に残る。 「すまない... 」 段々と小さくなる背中にそっと語りかけた。
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