第四章

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そのために、俺は『怪物』の風をも切り裂く攻撃を避けて行く。 ただひたすらに、ひたすらに。 俺の白い髪は絶え間なく揺れ続ける。 俺がほんの一秒でも触れたものは無差別に破壊されていった。 しかも慎重かつ範囲の拡大を防がなければならない。 なるべくこの公園内に抑えたいところだ。 頭と身体を同時に展開させて行く。 体力的にも精神的にも着実に疲労が募るばかりだ。 「くっ... ... ... ! 」 そんな苦労も知らず、研ぎ澄まされた刃の斬撃は一向に収まる気配はない。 木は乱雑に殴り倒され、芝生は抉り取られる。 正直辛い。 もうどれくらい時間がたったのかなど分からなかった。 それほど同じ動作の繰り返しは苦なのだ。 「はぁっ、はぁっ... ... ... 」 しかし時の経過は体の変化でくっきりと目に見えている。 呼吸は荒くなり、スピードが落ちた。 さらに避ける所作にも余裕がなくなりつつあった。 ... そろそろ限界、か。 俺にもそれが存在することが今日初めて証明される。 永遠とも思われた時間にも、もはや終わりが見え始めていた。 「... ... ... ... っ!」 不意にぱっくりと割れた地面に足を取られ、次の攻撃回避への姿勢が憚(ハバカ)られる。 すぐに体勢を立て直し体を仰け反らせるも、光る爪の尖った先端部分が俺の胸元のラインをかすった。
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