約束の甘さを

10/11
前へ
/101ページ
次へ
「言葉選びを楽しめる相手も、そうはいないんだよね」 「……ありがとうございます」 「褒めてはないよ」  告白は、したけど。 「褒めては、ないだけですよね?」  ほら、理解してる。  言わない私を、理解してる。 「降参」  両手をあげて、敗北を認める。  君が好きだよ。  何度でも繰り返し、言葉の中に潜ませるから。  すぐに咀嚼しないで、飴玉みたいに甘さを楽しんでいて。 「ごちそうさまでした」 「お粗末さまでした」  君が、好きだよ。 ―おわり―
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加