約束の甘さを

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「飴。なんか糖分が頭に必要っていう持論でクラスの子がくれた」  将志と仲のよさそうな特定の子、というと全く顔が浮かばない。 「……誰?」 「あ。俺の交遊関係に嫉妬してくれてます?」  嬉しそうに顔をあげた。 「いや、友達いなさそうだから」 「女子ですよ、ちなみに」  妬きますよね? とでも言いたげな得意顔だ。 「あっそ」 「……つまんねー反応」 「飯でも焼いてろ」 「あ、急にチャーハン食いたくなった」 「台所と冷蔵庫貸そうか?」 「包丁とコンロと、……あと唇貸して下さい」 「……え、なに貸すって?」  聞き間違えた? と机から離れて将志に近づく。 「唇。味見するのに飴が邪魔だから」 「……は?」  頬に手が触れて、顔が近づいてくる。  呼吸までが、甘い。
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