約束の甘さを

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「大丈夫?」  覗きこんだ顔が、真っ赤になっていく。 「俺を大丈夫にしたいなら、離れて」 「うん?」  そんなに至近距離じゃないけど、まあいいけど。 「君が私にキスした時よりは離れてるよ」 「いいから!」  濡れた手ではなく、肘でつついて離そうとしている。  将志から触れないのをいいことに、抱きついてやろうかと思ったが、チャーハンが冷めそうなのでやめた。 「色気より食い気ー」  歌うように言って、自分のお皿をちゃぶ台に運ぶ。 「将志、教科書どけて!」 「……教師の台詞かよ」  どうにか復活したらしい将志が、ちゃぶ台の上を片づけていく。 「教科書を汚すといけないという教師の配慮だよ」 「……どうだか」
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