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「料理好きなんだね」
「最近、食べてもらいたい人ができましたから」
わざとらしく笑って、私を見ている。
「……ふ、ふうん。誰だろうねー」
「男で、国語教師で、照れるとごまかす癖のある可愛い人です」
「ああ、知ってるかも、そんな人」
「でしょうね!」
これ以上やると本気でキレられそうだ。
そんな初男も見てみたい気もするけど、怒らせたくはないから。
「私?」
「です」
私に食べてもらいたいから料理を覚える……なんて。
新妻みたいな発言だ。
はた、と気づく。
さっきから思っていた違和感のような親しみに。
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