約束の裏事情5

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「ごぶさたしてます、主役の村橋武です」 「おひさしぶりです、恋人の浦上将志です。また番外編ですよ、先生」 「そうだね」 「俺たちが付き合いはじめたばかりの頃ですね」 「……そうだね」 「なんか口数少ないじゃん、照れてる?」 「別れる約束で付き合いはじめたのに……私、君と一緒に生きる方法とか考えてる」 「俺、新妻っぽい!!」 「……聞けよ」 「今は成功率ヒャクパーです」 「将志」 「今のうちに喋らないと、もう番外編すらないかも!!」 「……あるだろ」 「夜景の綺麗な高層マンション、山奥の一軒家は実現したけど、無人島だけやってない!」 「……二人きりで無人島にいるシチュエーションが不自然だからだろ」 「ボートで漂流して流れつく?」 「……なんで君とボート漕がなきゃいけないんだ」 「じゃあ最初から無人島に旅行!」 「男二人でか?」 「うー……」 「それなら異世界に召喚されるほうが自然だ」 「……うちの作者、頭の中ファンタジーだもんな」 「人物設定、そのまま行く? それとも性格だけ今のままで王子とかにする?」 「……マジ行くの?」 「王子なら君かな。私、教育係でもやろうか」 「俺が王子なら、武さんは」 「……漂流できるよ」 「え?」
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