第1章

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一か八かで、美咲に聞いてみる。 「ねぇ、柊君って、そんな人いたっけ?」 「え?何言ってるの、あーちゃん。柊君は同じクラスの男の子じゃない」 「・・・・・・え?」 同じクラスの男の子? そんなことはありえない。 自慢ではないが、私は1回顔と名前を覚えたら、絶対に忘れない記憶力がある。 2年全員の名前と顔は覚えている。 けど、柊君なんて人はいなかった。 そんなことありえるわけがーーー 「・・・・・・・!」 1つだけ思い当たる節があった。 今朝の変な夢だ。 あの謎の人物が、私の生きている世界に乙女ゲームの世界を上書きした。 そう考えるのが、妥当だろう。 だから、主人公の私が知らなくて、関係ないキャラクター・・・つまり、美咲達は知っている訳だ。
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