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バチン
勢いがよかったのか物凄い音が聞こえる。
「ってぇ、、、」
その声に恐る恐る振り返る唯。
「てめぇ、何すんだよ。」
その人は頬に手を当てる。
隙間から見えるところが
じんわりと赤くなっていく。
ヤバイ。
多分、わたしたち3人はそう心の中でつぶやいた。
「ご、ごめんなさい!!!」
唯は勢い良く頭を下げる。
その人物は五十嵐 誠弥(イガラシ セイヤ)
わたしたちの1つ上の2年生。
この学校で一番といっていいほどの美形で過度のナルシストだ。
その五十嵐先輩には有名な噂がある。
五十嵐 誠弥の顔に触れることはタブーだと。
そして、顔に傷をつけた者は殺されると。
「あぁ、俺の顔こんなに腫れて、手形までついてる!」
どこからか取り出した鏡で腫れた頬を見て笑っている。
わたしは少しホッとした。
噂はデマだったんだ。
「ハハハハハ~、、、あーぁ、ダル。」
ゾワッ
寒気がした。
今まで笑っていたのに、もう冷たい目で唯を見ていた。
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