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もう逃げられないと悟り、素直に靴に履き替えて隣を歩く。
そのあいだ、女子の視線がすごい。
「あの子誰?」
「誠也くんの隣を歩くなんて生意気。」
そんな陰口がコソコソと聞こえてくる。
だから、嫌だったんだよ。
「それで、君の家はどこ?」
校門を出て五十嵐先輩が聞いてくる。
「教えません。それでは失礼します!」
そう言って、猛ダッシュで突っ走る。
これ以上一緒にいたら、どうなるか、、、
でも、走っても走っても隣には五十嵐先輩がいる。
「ハァハァハァハァ」
「大丈夫?」
信号が赤になり、止まる。
それよりも、体力の限界でもう、走れなかった。
「ハァハァ、余裕ですね、、、」
「体育は得意だからな。」
そう言うレベルじゃない気が、、、
「わかりました。諦めます。」
「最初からそうしてたら、そんなに疲れることなかったのにな。」
少し、息が整うのと同時に信号が青に変わった。
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