#01

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重圧のあるその言葉に、ユウトは顔を強張らせる。 「今まで代表は私ではなくそれ専門の人達が選出していました。しかし、彼らはキャリアばかりを見ていて、つまらないファイターばかり選出していました。なので今年は私が選出することにしました」 淡々と述べる。その説明にも疑問があった。 「キャリアがあって何が悪いんですか?プロにおいてキャリアは大事だと思いますが…」 「選出担当が選んだファイターだけでなく、最近のプロファイターはキャリアと実力が釣り合っていない人が多々見られます。ですが、君は違います。君はキャリアと実力が釣り合っていますからね…」 沈黙が走る。 「…他の二人は…」 「それは…」 と、言いかけたところで、机の電話が鳴る。 シモンが受話器を取ると、 「通してください」 一言そう言った。 そして受話器を切ると、 「失礼しまーす!」 勢いよくドアが開いた。 そこにいたのは少女だった。 少女の特徴はとにかく赤い髪。そして、それに合わせるように瞳も赤い。 体は小さく、高校一年生であるヒカリよりも年下かと思われる。 そんな少女が勢いよくドアを開いたなり、ユウトに指差した。 「あ!あんたテレビで見たことあるよ!んー、と、誰だったかなー…」 指先で頭を叩き、考える素振りを見せた。 「思い出した!確かせんどーゆーととかいう人だ!」 「…君は…」 「ボク?ボクはね、神谷コトネ!今年のWVCの日本代表に選ばれたの!」
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