#01

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「ヒカリちゃんとファイトするのは久しぶりだな」 ユウトは準備をしながらこんなことを言った。 「こうして会うこともなかなかありませんでしたからね」 二人はデッキを定位置に置く。 「じゃあ、始めようか」 「はいッ!」 二人はFVに手を添え、 「「スタンドアップ!(THE)ヴァンガード!!」」 FVをオープンした。 「さあ、楽しいファイトにしようぜ!!」 「ダメージチェック…。あー!負けたー!!」 喫茶店から場所を移し、ミキとナツキは知り合いが経営するカードショップでファイトをしていた。 店名はカードシティ。ミキとナツキの行きつけのカードショップだ。 その一角で聞こえた奇声はナツキのものである。 「相変わらず強いね、ミキちゃん」 二人の元に来たのはこの店のオーナー、草木マキ。 ミキやヒカリ、ナツキはもちろん、ユウトやエンキもお世話になった、お姉さん的存在だ。 「まあね…」 と、静かに笑う。 ミキは自他共に認める実力者。 その実力は並のプロファイターに匹敵する程だ。 そんなミキにももちろんスカウトが来ている。しかし、彼女は断っている。 理由は組織に入るのが嫌いだからだ。 ファイトが終わり、デッキを片付けている時、ミキのケータイに電話が掛かってきた。 席を立ち、外で電話に出る。 「…あなたは?」 通話相手はケータイに登録されていない、初めて見る電話番号だった。 電話の向こうから聞こえた声は男性のものだった。 そして男性の話を聞いた瞬間、ミキはまた静かに、そして妖しく笑った。
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