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そうして、一夜が明けて……。
実咲はベッドの上でぐっすり眠っているが、
その顔は急な発熱の為赤らんで、
息も少し乱れ苦しそうだ。
その額には熱冷却用の熱さまシートが貼り付けられている。
そして、そのベッド脇に柊二と竹内の姿。
柊二は実咲の急な発熱の原因が昨夜の自分との激しい
性交だったせいで、
竹内からこっぴどく説教を喰らっているところだった。
「――ったく、あなたという人はいい年をして節度と
手加減というものを知らんのですか?」
「イヤ、昨夜は年甲斐もなく思いっきり煽られてな、
どうにも歯止め利かんかった」
「パートナーから求められるまま応じるだけなら、それこそ
動物と大した変わりはないでしょうましてや、その
パートナーが全く経験なしならセーブするのは当然
あなたの方ではないですか?」
「まったくだ、面目ない」
「――たけうち、さ……」
さっきまでぐっすり眠っていた実咲が
薄っすら瞼を開き2人を見ている。
「どした?さき。何処か苦しいか?」
実咲はゆっくり首を横に振ってから。
「たけうち、さ……あんまり、柊二さんばかりを責めないで
下さい」
「!!さきっ……」
「実咲さん……」
「はぁはぁ――歯止め、利かなかったのは、私も同じ、
私……柊二さんが私だけ見てくれるのが嬉しくて、
それで…だから……」
「さき……」
竹内は”こりゃ参った”といったような表情で
ため息をついた後。
「分かりました。絶倫エロ上司へのお説教はこれ位にして
おきます。ただし実咲さん?ご自身のお体の為少なくとも
今週いっぱい氷室と交わりを持つのは控えて下さいね」
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