手痛い失敗

11/14
前へ
/109ページ
次へ
 そうして、一夜が明けて……。  実咲はベッドの上でぐっすり眠っているが、  その顔は急な発熱の為赤らんで、  息も少し乱れ苦しそうだ。  その額には熱冷却用の熱さまシートが貼り付けられている。     そして、そのベッド脇に柊二と竹内の姿。  柊二は実咲の急な発熱の原因が昨夜の自分との激しい  性交だったせいで、  竹内からこっぴどく説教を喰らっているところだった。 「――ったく、あなたという人はいい年をして節度と  手加減というものを知らんのですか?」 「イヤ、昨夜は年甲斐もなく思いっきり煽られてな、  どうにも歯止め利かんかった」 「パートナーから求められるまま応じるだけなら、それこそ  動物と大した変わりはないでしょうましてや、その  パートナーが全く経験なしならセーブするのは当然  あなたの方ではないですか?」 「まったくだ、面目ない」 「――たけうち、さ……」  さっきまでぐっすり眠っていた実咲が  薄っすら瞼を開き2人を見ている。 「どした?さき。何処か苦しいか?」  実咲はゆっくり首を横に振ってから。 「たけうち、さ……あんまり、柊二さんばかりを責めないで  下さい」 「!!さきっ……」 「実咲さん……」 「はぁはぁ――歯止め、利かなかったのは、私も同じ、  私……柊二さんが私だけ見てくれるのが嬉しくて、  それで…だから……」 「さき……」  竹内は”こりゃ参った”といったような表情で  ため息をついた後。 「分かりました。絶倫エロ上司へのお説教はこれ位にして  おきます。ただし実咲さん?ご自身のお体の為少なくとも  今週いっぱい氷室と交わりを持つのは控えて下さいね」
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1150人が本棚に入れています
本棚に追加