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実咲は素直に「はい」と返答したが。
柊二は大いに不服で「え”~~っ!!」と思いっきり
ブーイング。
「それってつまりHはダメってことだろ~、
んな殺生な……」
「大体あなたは今までが無節操過ぎたんです。たまには
こうゆうのもいいクスリでしょう」
「うぅっ……」
「――それでは、私達は参りましょうか」
「へ?……達、ってことはオレも?」
「当たり前でしょう。今日は平日ですよ。平社員とは違って
一応管理職のあなたには今日中にやってもらわなければ
いけない仕事が山積みなんですから」
「あ、でも、オレ今日はさきの看病が――」
「それならご心配なく。もうそろそろ――」
と、言いかけているところへ玄関でドアチャイムが
鳴った。
「ほらね、氷室邸からの助っ人です」
「ふんっ、相変わらず手廻しがヨロシイことでっ」
「あ、それから実咲さん?」
「はい」
「学校へはしばらく病欠すると連絡を入れておきました。
仕事の方も心配はいりませんからゆっくりお体静養させて
下さいね」
はぁ~っ、ホント手廻しがいい……。
「ども、お手数おかけしました」
「――さき?」
と、熱で火照っている実咲の頬を優しく撫でながら。
「ホントならお前の事全て受け入れるのはまだまだず~っと
先にするつもりだった――でも、お前にいともあっさり
枷外されちまって、もうどうにも抑え利かんように
なった……ホント、ごめんな」
「ううん――私、初めてが柊二さんで良かった」
「うぅっ――さきぃぃっ……」
「どしたの?」
「お前って……」
”ほんっと、人の理性揺さぶるのウマ過ぎ……くそっ、
こんなんで当分の間禁欲なんか出来んのかよ、
オレ……”
「さき?」
「はい」
「早く元気になってオフィスへ戻って来い、でなきゃ、
お前の席なくなってるかも知れんぞ」
「も~うっ、柊二さんってばぁ……」
2人は顔を至近距離で見合わせそのまま口付け。
その口付けは単なる別れのキスにしては長く、かなり
濃密なものになっていきそうで……。
「――ハイ、もう、その位で充分でしょう」
と、竹内が柊二の襟首を掴んで強引に実咲から引き離した。
「オニッッ!」
「では実咲さん、お大事に」
「はい、色々有難うございました。柊二さん?
お仕事頑張ってねぇ」
(@^^)/~~~。
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