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2人きりのウィンターホリデー
今日は12月26日(金)、今年1年の仕事納め。
全部署とも例外なく午前中で業務を終え、それぞれ正月休暇を過ごす帰路へ着く。
私は柊二さんがかねてから1度は私を連れて行きたいと言っていた、信濃路・軽井沢にある別荘へ向かった。
そこは緑溢れる庭園に囲まれたログハウス風の別荘で。
夕暮れ間近の帳に覆われたそこにはたくさんのイルミネーションが飾られ
鮮やかで幻想的な雰囲気を醸し出している。
柊二さんと私の到着を待ちかねていたらしい、20代後半位の男の人が玄関から出て来て「やぁ、いらっしゃい」と歓迎してくれた。
柊二さんはその男の人と軽い握手&ハグで挨拶を交わした後、私へ紹介してくれた。
「竹内の弟さんで文也くんだ、ご両親には昔からこの別荘の管理を任せていてね」
「まぁそうですか、米倉実咲です」
文也さんは私にもハグと頬チューをくれて。
「キミの事は柊二と兄貴からた~っぷり惚気けられてた。ホント、柊二にはもったいないくらい可愛いね」
少し遅れて文也さんのお母さんだという、和装の貴婦人・竹内清香さんも玄関から出て来た。
「まぁ、柊坊っちゃん、お忙しいところようこそお出で下さいました」
清香さんから「~坊っちゃん」と呼ばれ、さすがの柊二さんも恥ずかしそうに苦笑。
「もう、40近いおっさん相手に坊っちゃんは止めてよ」
「あら、そうでしたわね――咲ちゃんも、すっかり大人っぽくなっちゃって小母さん見違えたわ」
「ご無沙汰しています」
「ご両親はお変わりない?」
「ええ、お陰様で」
「なんだ咲、清さんとは顔見知りだったのか」
「ええ、都村の両親とは中学・高校時代の同級生なんですって」
「お2人ともお疲れでしょう?一応すぐ必要になりそうな物は取り揃えておきましたけど、足りない物は何なりとお申し付け下さいね」
「ああ、ありがとう清さん」
※※※※※ ※※※※※ ※※※※※
「すご~いっ!!」
その部屋へ一歩足を踏み入れた所で、その景観の素晴らしさに思わず息を呑んだ。
一番初めに入るLDKの仕様は和洋折衷。
室内奥へ畳敷きのスペースがあって、その隣、洋のリビングスペースではレトロな暖炉にくべられた薪が赤々と燃え盛っていて。
テラスに面した中庭は目映いくらいにライトアップされ、見事に手入れされた英国風のミニガーデンが広がっている。
柊二さんは言葉もなくこの景観に見惚れている私を、背後からふわっと包み込むよう抱きしめ、耳元で囁いた。
「さぁ、ここへいる間は仕事も学校もなく、ずっと2人きりだ」
「うん……柊二、さん?」
自分から顔を近づけていきキスのお強請り。
すぐしっとり柔らかな柊二さんの唇に覆われ、何度も啄むようなキスを繰り返したあと蕩けるような深い口付け。
あまりの心地良さに力が抜けてダラリと下がった私の手に触れた柊二さんのソコはもうかなり昂っていて、強く自己主張を始めている。
「んン……しゅじぃ……」
柊二さんは、そのままスーッと唇をずらして頬から耳元の方へ這わせながら。
「そのまま触ってて」
手早く私のスカートをたくし上げ、その中の秘所へショーツの上から指を這わせた。
「あっ――ぁ、はン……」
「うわぁ……もう、えらい事になってるじゃん。もしかして、キスだけで感じちゃった?」
そう耳元で囁かれ、私は触れられているソコが、自分でもはっきり分かるくらい濡れていくのを感じた。
「も、はぁはぁ――しゅじさ、の、いけず……」
柊二さんは、その奥へ滑り込ませた手で私のソコをダイレクトに刺激しながら、首筋に数多のキスを降らせる。
「さき……あぁ……さき――愛してる」
「ん……しも、あい、してる……あ、あぁ……しゅじさ……っ」
「――ああぅっ!!――は、ぁっ……」
私がぐったり柊二さんの逞しい胸板に身を委ねたと同時に柊二さんは私の体をギュッと抱きしめてゆっくり脱力していった。
じっとり汗ばんだお互いの裸体がそれまでの激しかった行為を物語っているよう。
「はぁはぁはぁ――ごめん」
「って、何が?」
「つい、がっつき過ぎてスキンつける余裕もなかった」
「フフフ……」
「何だよ」
「……あのね」
と、私柊二さんの耳元へ口を寄せて小声で耳打ちした。
「――――」
柊二さん、一瞬、びっくりしたような表情になって、それからすぐいつもの優しい笑顔になった。
「ホントに?」
「うん」
「じゃ、もっと頑張らなきゃな」
と、柊二さんは1度私の傍らへ横たえた体を起こし再び私の上へ覆いかぶさってきた。
この別荘には仕事始めの前日まで滞在してたんだけど、そもそもこの軽井沢って所は春先から夏向けの保養地なので、雪深いこの季節は観光なんてあま出来なくて。
柊二さんと私は清香さんご夫妻、それに文也さんと近所の神社へ初詣に出かけた以外はずっと部屋に篭もりきりで、思う存分愛を確かめ合った。
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