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「♪」
インターホンの音ですばる君はビクッとして起きはって、とろんてした目で俺を見上げる。
「…マル?」
「ピザ来たで」
「ピザァ?」
起き上がろうとするすばる君を補助しつつ、窓の外を指差す。
「ほらほら見て。外すっごい雨やんかぁ。俺、今日外出ないって決めてん」
「起き抜けに食うもんちゃうやろ」
「ピザ屋さん待たせてるからとりあえず行くな」
立ち上がりたいのに、握った手がなかなか離れないから小さな顔を覗き込んだ途端、俺のマウントと唇を奪うネコ科のケモノ。俺のリードを拒否して前に出る壮絶キュートなケダモノ。
こっちのんが起き抜けにするもんちゃいますやぁん。
もしかして、俺とおんなじやらしい夢、見てた?
「パイナップル、のってなかったら食ってやる」
俺の口の中を思うさま堪能した後、目尻にシワ寄せて少年みたいに微笑むあなたは恋の黒帯。師匠、ごっつぁんですっ!
「トロピカルスペシャルは頼んでへんよぉ♪」
俺がふざけたステップでモニターまで飛んでって応対しとると、いたずらっ子が鼻歌歌いながら背中に引っ付いて、スキだらけの俺の乳首をコリコリ弄る。
「アカンてすばる君、気持ちよくなってまうやぁん」
女神の超絶技巧に俺は最早スレイバリー。
ピザ食うて、炭酸飲んで。あと、隠してある高いアイスクリームも食べちゃお。体に悪いもんはめっちゃ旨いよな。
で。
腹膨らんだら気持ちええこと、しよな♪
なんだって、好きなことしてあげるで。
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