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「いえ、俺は、」
小栗の言葉をさえぎって、
東雲リーダーの前へと飛び出した。
散々、リーダーの前で、
彼氏のこと愚痴ったのを
バラされでもしたら、
たまったものじゃない。
「リーダー――!
すみません!なんでしょうか、
こんなところまで、
ご足労いただいちゃって」
「ああ。
昨日、俺の家に来た時に、
忘れていったみたいだからな、
大事なものじゃないのか?」
そういって、ベージュの革表紙の
手帳をぶらぶらと見せた。
それをさっと奪う。
「あ、わざわざ、どおおもお~」
そんなやり取りを、
茫然としている彼氏の前で、
開け放たれた扉を閉めようとした。
だが、リーダーは、
何か言い足りないのかがっちりと
ドアをつかんだまま離さない。
VSドエス上司と、
ドア争奪戦の力合戦が、勃発中。
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