トナカイ、サンタに拾われる。

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* * * 「俺が拾ってあげましょうか?」 あたしの身体を、心を満たしてくれるなら誰でもいい。 涙でかすむ目、アルコールでぼんやりする頭。 何も見えない、何も分からない。 でももう、何でもいいや。 「……拾って」 あたしのこと。 「鼻が真っ赤になるまで泣きはらして……、トナカイのルドルフみたいですね」 「じゃああなたはサンタクロース……?」 「……そうですね」 熱い唇があたしの身体の上を滑る。 器用に動く舌があたしの敏感なところを探り当て、執拗に愛撫を繰り返す。 もう何度無理と言ったか分からない。 それくらい何度も愛されて。 気を失うように眠ってしまった――……。
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