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一世一代の告白。
センパイは一瞬動きを止めて俯いた後、顔を上げてはっきりした口調で言った。
「……拾って」
その表情に、会社では見れないセンパイの女の顔が見えて、グッと息が詰まる。
これは……OKってことなのか……?
それとも、ただなんとなく「拾ってあげる」という言葉に、「拾って」と返しただけなんだろうか?
そんな俺の葛藤に気付くはずもなく、「ん」と手を伸ばし、俺に抱き着こうとするセンパイ。
「随分素直ですね」
普段じゃ絶対見れない、こんなセンパイ。
あまりの可愛さに、思わず笑みが零れる。
多少の葛藤はあるものの拒むのもどうかと思い、その要望に応える。
お姫様だっこの状態で彼女を持ち上げれば、首筋に顔を埋められた。
う、わ。
ダメだ、こんなの、反則だ。
「……もう、我慢できませんからね」
「っ……」
艶やかに濡れるその唇に、俺は思わず自分のそれを重ねてしまった――……。
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