トナカイ、サンタに拾われる。

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* * * 「ん……」 カーテンの隙間から光が差し込み、あたしの顔を照らす。 眩しいんだけど……。 顔をしかめながら起き上がってカーテンに手を伸ばす。 「っ」 嫌でも目に入ってしまう、あたしの隣にうつ伏せで寝転がる男の姿。 真っ黒な髪の毛と枕で顔は見えない。 うわ、あたし……行きずりの人とヤッちゃったんだ……。 どーしよ、この後どうすればいいんだろう……? 「いやー、昨日はありがとうございました!昨日は色々忘れたくて!キャハ☆」 ……はマズいよな、いくらなんでも。 「昨日はすいませんでした、昨日はあたしも色々ありまして……。本当にごめんなさい」 ……これかな、うん、これでいこう。 誠実に謝らなければ……。 裸の胸に手を当てて申し訳なさを噛みしめていると。 「ん……」 「っ」 男がもぞもぞと寝返りを打ち、男の顔がこちらを向く。 その瞬間。 「っ……!!」 背筋が凍った。
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