第1章

10/14

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
バーベキューを始めて30分も経たない頃。 起きてすぐの胃袋にバーベキューは重すぎて、早々に戦線離脱した私。 庭に面している窓辺でサンダルを引っかけ、烏龍茶を片手に腰かけていた。 庭の芝生をじりじりと焼く強い日差し。 それとは対照的に、夏の香りを運ぶ優しい風が火照る体を冷やしてくれる。 その心地よさに目をつぶっているとすとんと誰かが隣に座る気配がした。 目を開かずともその`誰´かが分かる。 「もう肉食わねーの?」 「充分食べたよ。朝からバーベキューなんて胃がもたれる」 「…ホールケーキ完食した女が言うなよ」 「ちょっと、いつの話よ!」 「小学1年生。お前の誕生日」 「……………」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加