第1章

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小学校4年生の夏。 今思えば、これが最初だった。 幼なじみの悠人のことを、 私のほうから遠ざけたのは。 きっかけは、 些細なクラスの女子との会話。 ―好きな男の子は誰?― 「光ちゃんって、悠人くんのこと好きなんでしょー」 「いつも一緒にいるもんねー」 「す、好きなんかじゃないよ…」 あの頃は、言い当てられたことが ただただ恥ずかしくて、 とっさに出た嘘。 「ほんと?光ちゃん、悠人くんのこと好きなんじゃないんだ」 「う、うん。悠人は親が仲良くて、小さい頃から知ってるだけだもん」 「でも毎日一緒に学校来てるよね」 「そうそうー、由美ちゃんってば、悠人くんのこと好きだからうらやましいって言ってたもんねー」
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