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小学校4年生の夏。
今思えば、これが最初だった。
幼なじみの悠人のことを、
私のほうから遠ざけたのは。
きっかけは、
些細なクラスの女子との会話。
―好きな男の子は誰?―
「光ちゃんって、悠人くんのこと好きなんでしょー」
「いつも一緒にいるもんねー」
「す、好きなんかじゃないよ…」
あの頃は、言い当てられたことが
ただただ恥ずかしくて、
とっさに出た嘘。
「ほんと?光ちゃん、悠人くんのこと好きなんじゃないんだ」
「う、うん。悠人は親が仲良くて、小さい頃から知ってるだけだもん」
「でも毎日一緒に学校来てるよね」
「そうそうー、由美ちゃんってば、悠人くんのこと好きだからうらやましいって言ってたもんねー」
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