第3章

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仕事を終え帰宅し、 時刻は21時を過ぎた。 悠人が小太郎の散歩を申し出てから数日。 毎晩21時頃に`今から行く´とメッセージが届き、それから散歩の準備をするのが日課になりつつあった。 今日も悠人からの連絡に`了解´とだけ返信し、散歩を待ちわびる彼に声をかける。 「小太郎、お散歩行こう」 「わんっ」 ダダダッと玄関へ一直線に向かう小太郎。 それとは反対に重い足取りの私。 例のメッセージが届いて時間も経つというのに、私の頭の中はまだ、例のメッセージのことでいっぱいだった。 用件のみで事務的で。 こちらの予定なんてお構い無し。 あの人は私をどうしたいのか、どう思っているのかなんて、そんなの知らない。 ほんと自分勝手な人だ。 にも拘らず、私は会いたいのか。 奈々に言ったら怒られるだろうな。 それとも呆れられるのかな。 どちらにせよ、 よくないことはわかっている。 早く、この関係を絶ちきるべきだということも。
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