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すると、阿保は勢い良く歩いて来て、俺に並んだ。
「ケーキは、コンビニでも売ってるんですよ、先輩」
「……」
まるで、俺が何も知らないかのような口振りに、カチンときた。
「……シャンパンは、ピンクのドンペリな」
「ちょっ!?先輩、いくらなんでも、それはないんじゃありません?」
「奢ってくれるんだろ?頼むぜ、サンタさん」
焦る阿保の肩を叩くと、エレベーターに乗り込んだ。
クリスマスなんて、ロクな事がなかった。
でも、まあ…。
こんなクリスマスがあっても、いいのかもしれない。
阿保が言うには、ホワイトクリスマスなんだし?
外に出て、街を真っ白に染める雪を見上げて、少し笑った。
END
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