第1章

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「ええ。まだ仕事が残っていましてね。今終わったところなんですよ」 にこやかに言う中村先生は 物腰が丁寧で、年下で後輩の俺にも敬語を使う。 「そうなんですか、お疲れ様です」 生徒からも人気があり、教師からも信頼されている中村先生を 俺も心から教師として尊敬している。 だけど、教師としてではない、ただの俺からすれば 朝倉のことを考えると何とも言えない人物だ 「ありがとうございます。江藤先生はまだ残られるんですか?」 そんな俺の心のうちなど知らないように 眼鏡の奥の瞳はとても優しいものだ
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