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「警部の姉や…僕の執筆スキルと荒川君の撮影スキル。捜査の役に立てんかね」
土手川は不意にディスクに身を乗り出して凛子に懇願する。真っ直ぐに見詰めるその瞳には、
自らに掛けられた容疑を晴らすのみならず、自分の作品が招いた悲劇に作者として終止符を打ちたいという心情もあった。
同時に囁かな復讐心も。
真犯人を小説の登場人物に仕立て、誰もが逮捕なり処刑なりをしてくれと言いたくなるような極悪な殺人事件の犯人役にして、長編で引きずり回してやりたい――。
自分ではこれは作家らしく、また土手川流らしい復讐法だと彼は思った。
「どうですか。警部さん……て僕も?」
「荒川君には現場の写真を最前線でガンガン撮れるチャンスじゃと思うよ」
「現場のを、最前線で、うぐ……」
自分も巻き込まれるのかと荒川は思ったが、撮影の誘惑には勝てなかった。
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