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「所で土手川君は、新作で九龍刑事をモデルにしたいそうだけど、具体的にはどんな刑事にする積もり?」
ダンボールをヨイショと担ぎながら荒川はそれを車のトランクへ運ぶ。
「今回の事件をモチーフにしてみようかなと。うん。九龍は一度は刑事職を辞退したが、入れ替わりで入庁した刑事からある殺人犯の出現により難航する捜査の手助けをして欲しいと依頼される」
土手川もダンボールを両手で重たそうに車のトランクに運び、何時から練っていたのか。はたまた今思い付いたのか構想を語り始める。
危なっかしい運び方が長年の運動不足を物語る。
「それが今回の犯人? 例によって君が冤罪?」
「今回の特筆すべきポイントは、確かサインだったね」
ダンボールをトランクにどさりと積めると、土手川は腰を叩きながら続ける。
「その儘じゃ、捻りが無い。サインは三つに絞ってみるかな。13、12、11」
「同じじゃないか」
「それぞれキング、クイーン、ジャック。一見トランプのカードに思えるが実は別の共通点がある」
「S・キングとか、E・クイーン、それにJ・カーリィ…で作家繋がり詰まりは犯人は作家を標的にしていた?」
図星だったのか土手川は少し沈黙すると「たまにはボケようや」
「すまない。真面目に当てちゃった。と言うかボケは君の担当だと思っていたけど」
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