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作家と言う人種は何かに付けて言葉遊びをやりたがるんだな。荒川は土手川のそんな所に興味を抱いていたが、
「然しそのエピソードだとわざわざ復職を懇願する理由にはならないんじゃないかい?」
トランクをバタンと閉めると荒川は苦笑を浮かべた。
「その殺人犯は誰も死刑に出来なかったが、九龍が裁判を強行させて死刑判決に持っていった。然し死刑前日で犯人は獄中死するが蘇り再び犯行に出る。と言うエピソード足したらどうじゃろうか?」
一仕事を終えて一息着こうと土手川は煙草に火を点けて一服吸いながら、どこから湧いて出たのか判らない構想を話す。
「君の頭はペンネ状になっているのかい? それはそれとして腹が空いたね。どうだいウィンクで食事がてら一杯」
荒川は踵を返すと、運転席に向かいドアを開けた。
ウィンクは土手川と荒川が足しげく通うBARで、『(-_・)』の顔文字のネオンが目印の店な故、常連客からはウィンクと呼ばれている。
【hot&wet】程希望は大きくはないものの、気さくなマスターしちと、ポーカーのディーラー真珠とは顔見知りなので肩の力を抜いてお酒が飲めるのが土手川と荒川はそんなウィンクの雰囲気が好きだった。
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