Gに捧げる犯罪

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        【4】  BAR『ウィンク』では店内を流れる品の良いジャズと、控えめでぼんやりとしながらもどこか怪しげな店の灯りが土手川と荒川を出迎えた。木製の椅子やカウンターから薫って来る木の臭いや温かみも駆け出しの頃に通った時と変わっていない。 尤も駆け出しの頃は安いバドワイザーが主流だっかが順調に仕事が売れ出した時には、しちマスターお手製カクテルが飲めるようになっていた。 土手川と荒川にとってはスタート地点とも言える店でもある。  「いらっしゃいませ。お二人共お元気そうで」  しちマスターは丹念にグラスを磨きながら二人に対応する。  「久し振りですね。土手川さんと荒川さん」  真珠は席から立ち上がり、土手川と荒川に近付いた。少しだけほつれた長い黒髪に、青を基調としたチャイナドレス姿と彼女のトレードマークは健在だ。  「真珠の姉や久々に一杯やりに来たよ」  土手川は早速カウンター席に腰を下ろす。  「わたくしも久し振りに一杯やりたいです」  真珠は土手川の隣の席に座る。  「調子はどうかな? 順調にいってる?しちさん、土手川君の冤罪をガツンと流せる程強いのを頼む」  荒川もカウンター席に座ると早速オーダーをする。
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