Gに捧げる犯罪

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 高級クラブ【hot&wet】 赤、青、緑、黄、そして紫色のスポットライトがまるで社交ダンスを踊るように入り乱れ、軽快な重低音が流れる各界の著名人がこのクラブに、事件の被疑者がいるとの情報を聞きつけ、  刑事庁捜査一課・九龍班は作戦を決行した。  「龍華、出番よ。宜しくね」  イヤホンから聞こえる九龍凛子の囁く声に鈴木龍華刑事は「了解」と答えると、店内のBGMが変わったのと同時にステージに歩み出た。  土手川散歩と言う高級クラブには似つかわしく無い名前の作家は必ずこのクラブのどこかにいる。女を口説いてるか、酒を煽っているか、博打を打っているか。判らないが、人でごった返したクラブの中で彼を発見するには、 ダンス用ステージの上から探した方が発見し易い。ダンスを披露する龍華も目立つが。 龍華は黒のヒールを履いた脚線美際立つ足を交差させながら、鉄のポールの立ったステージのセンターにゆっくりと近付いた。
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