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如何様の証拠を探す迄も無く、土手川散歩と言う男の習性については調べがついていた。
土手川は自分のファンの体に、サインと番号を書く癖がある。
それは当然、このクラブの露出度の高い衣装を纏った女性店員にも付けられていた。
「凛子。この店の女性店員は肩とか脚に1~13の数字があるよ」
土手川と男のやり取りをイヤホン越しに聞いていた龍華は、凛子にコッソリと小声で告げる。
土手川をステージ上で探していた時に目に付いたのだ。
「これはジョーカーゲームだわ。土手川さんあなたはこの店の女性店員に番号付きのサインをしていたようだけど、テーブルにやって来た子の番号で手を変えたのね。それがあなたの如何様」
凛子はポーカーテーブルの近くにいた店員を捕まえてそう言った。
彼女の華奢な腕に書かれた数字は13。厳つい客の手札の中にもダイヤの13はあった。
「姉ちゃんは僕についてよう調べあげとるようじゃけど、ひょっとして警察?」
土手川はぎょっとして凛子の顔を伺った。
「ご明察。私以外に三人張り込んでるけど」
ずっと見張られていたのか。ポーカーの一部始終を。気付かなかったと同時に一杯食わされたと土手川は顔をしかめた。
「違法ポーカーで僕をしょっぴきにきたんね?」
「別件よ。あなたを殺人容疑で逮捕しき来たの」
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