第1章

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崇さんはタブレットを取り出して、日付の確認をする。 「明日、早速会社へお邪魔することになってるんだけど、水沢ちゃんも一緒で大丈夫かな?」 「大丈夫です。次の案件に取り掛かるのは明後日からでしたから。」 何でも早目に越した事はない。 特に顔合わせは早急にし、クライアントの趣味嗜好を汲み取る必要がある。 それをベースに仕事を進めていくからだ。 クライアントと感性を同調させ、思考を理解し寄り添うことで生まれる一体感。 だから早く会いたいと。 クライアントのことを知りたいと。 いつものように、そう思ったのだけれど。 私は何となく予感していた。 この仕事は簡単そうで、とても難しい仕事になるんじゃないかと。 それが現実のものになるのは…。 …明日。
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