第2章

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「新しいクライアントですか?」 オフィスで向かい合うは、ウチの社長の森口崇さん。 以前私が努めていたインテリア家具雑貨店の店長、さゆりさんの旦那様。 とても爽やかで優しさが滲み出るほどだ。 大手家具メーカーに努めていたのだけれど、インテリアコーディネートの会社を企業。 和希のお店を手掛けた私を見込んでくれて、独立の話が出るや即声をかけてくれた。 さゆり店長のお店の事務所を間借りしている状態だけれど、崇さんの人望のおかげで仕事の依頼には事欠かない状態だ。 「そうなんだ。以前からご贔屓にしてくださってるお客様のご子息でね。IT企業を設立して好調らしいんだ。それで新しく社長室と商談室のコーデを頼まれてね。年齢もまだ20代後半で若いらしいから、これは水沢ちゃんの仕事かなと思ってさ。」 「わかりました。ちょうど抱えてた案件も昨日アップしたんで、すぐ取り掛かれます。」 クライアントの満足度を1番に考える崇さんは、案件を多数抱えるのを好まない。 分散されると疲労が蓄積されて顧客満足度が低下するという。 そんな崇さんの元だからこそ、常に全力で案件に取り組めるのは有難い。
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