5291人が本棚に入れています
本棚に追加
/298ページ
鼻がムズムズする…。
そんな感覚で目が覚めた。
視線を落とすと、俺の腕の中には無防備にスヤスヤ眠る優姫の寝顔。
俺の鼻にかかっていた優姫の髪をゆっくりと払い、優姫の頬にかかる髪をそっと耳にかけてやる。
爆睡してんのか、身じろぎひとつしやしねぇ。
昨日は電話のあと、必死で俺のご機嫌取りしやがって。
本当はそこまで腹立ててなかったんだけど。
めちゃくちゃ焦って、小動物みてぇにペタペタくっついてくる優姫を見てたら、妙に意地悪したくなった。
まぁ、不愉快になったのは間違いねぇんだし。
それくらいはいいじゃねぇか。
今までだって二人の時間に水刺すようなタイミングで、クライアントから電話がかかってくる事くらいあった。
クライアントの大半は男な訳だし。
いつもならイチイチ腹なんて立たねぇのに。
最初のコメントを投稿しよう!