5314人が本棚に入れています
本棚に追加
パタパタと段取り良く用意を進めて、キッチンへと急ぐ。
朝ご飯の支度は私の役割だ。
昼と夜はお店の賄いを食べている和希にとって、朝ご飯だけが私の手料理を食べる唯一の時。
とは言っても朝ご飯だし。
そんなに気合の入ったものを作るわけでもない。
あえて言えば、和食と洋食を交互に作るのだけが私の拘わりだ。
特に和食には力を入れている。
だって賄いは殆ど洋食なのだから。
それに洋食で和希に美味しいと思ってもらおうなんて、恐れ多くてできやしないし。
ま、和食だってきっと和希が作った方が数倍美味しいに決まってるが。
けれど和希は私が家にいる時は、一切の炊事をしない。
これは仕事でやっているから家ではしないというわけではなく、恋人としての私の立場を気遣っての事。
最初のコメントを投稿しよう!