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「アスパラ、本当は何になるはずだったんだ?」
「っ!」
バレてるじゃないか。
目敏いシェフめっ!
「そんなに眉間にシワ寄せて睨むなよな。和食の中に一つだけ冷製スープがありゃ、俺じゃなくてもわかんだよ。」
「…ですよ…ね。本当は胡麻和えにしようと思ってたの。茹ですぎちゃって…。」
口ごもりながら白状すると、和希はプッと吹き出した。
「朝から和洋折衷とは豪勢な朝メシだな。」
少しの意地悪を含んだ和希の言葉だけど、いつもキッチリと手を合わせて残さず綺麗に食べてくれる。
料理を作るときも食べるときも、彼の流れるような箸使いには、ついつい見とれてしまう。
「ご馳走様、うまかった。」
毎日欠かさずに伝えてくれる大切な言葉。
この言葉を聞くと、今日も1日頑張らなきゃって気持ちになるから不思議だ。
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