第1章

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「アスパラ、本当は何になるはずだったんだ?」 「っ!」 バレてるじゃないか。 目敏いシェフめっ! 「そんなに眉間にシワ寄せて睨むなよな。和食の中に一つだけ冷製スープがありゃ、俺じゃなくてもわかんだよ。」 「…ですよ…ね。本当は胡麻和えにしようと思ってたの。茹ですぎちゃって…。」 口ごもりながら白状すると、和希はプッと吹き出した。 「朝から和洋折衷とは豪勢な朝メシだな。」 少しの意地悪を含んだ和希の言葉だけど、いつもキッチリと手を合わせて残さず綺麗に食べてくれる。 料理を作るときも食べるときも、彼の流れるような箸使いには、ついつい見とれてしまう。 「ご馳走様、うまかった。」 毎日欠かさずに伝えてくれる大切な言葉。 この言葉を聞くと、今日も1日頑張らなきゃって気持ちになるから不思議だ。
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