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「一成、アンタ家を継がないってどういう事よ!?」
「んなの当たり前だろ、やってられっかよ!!」
「でもアンタはこの家の正当継承者の一人なのよ!?」
「……そういうの……もう、うんざりなんだよ!!……とにかく、俺は家を出るからな!じゃあな!!」
「ちょっと、一成!!」
母さんの制止の声を振り切り、まとめておいた荷物を抱えて家を飛び出した。
俺は浅羽一成、高二だ。容姿なんかは普通……なんだが、やや三白眼なのが悩みだ。
そのせいか小さい頃はよく女子に泣かれ……んな事今はどうでもいい。
俺の家は代々伝わる由緒正しき陰陽師の家系とやらでして。昔から霊能者がよく生まれる。もちろん俺もだ。
だから人ならざるモノが見える……訳だが……俺は力が弱く、見えても何もできない。
だけど俺の兄さんで三つ年上の秋斗兄さんは歴代最強と謳われるほどの実力者で。
そして兄さんには及ばないが俺よりずっと力のある弟の伊月。……最近反抗期みたいだから滅多に話さねぇけど……
そんなヤツらが、何故家を継がないかって?知らねぇよ……でも母さんや父さんまでもが俺を継がせたがる。
まあ二人は母さん達のお気に入りだからな……危ない目にはあわせたくないのかもな
……アイツらに力で及ばないだけじゃなく、顔面偏差値まで……クソ、何か悲しくなってきた。
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