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行く宛もなく歩いている内に、知らない所に来た。
見た事もない建物に囲まれて、今更ながら少し怖くなってきた。
で、でも、別に危ないヤツが出る訳でもねぇし……だ、第一、俺は幽霊とかは見慣れt
「ねぇ」
「ぎいやぁぁああぁああぁっ!!!!」
後ろから突然肩を叩かれ、悲鳴をあげながらしゃがみ込む。べべべべべ別にビビッてるんじゃないからな!?
……しばらく経ったが何も起こらない。……おかしいな…………恐る恐るゆっくり振り返ってみた。
イケメンがいた。
……何だよ人間かよ。俺は心の中で安堵の息をつきながら立ち上がる。
「驚かせちゃったかな?ごめんね、道を聞きたかったんだけど……」
「ああ……あ、でも……すみません、俺はここの人間じゃないんで…土地勘とか……役に立てないと思います」
「あー……そっか、そうなんだ……君もか……俺と同じだね。…名前聞いてもいいかな?」
「……知らない人には」
「…………知らない、人、には?」
俺の言葉を反芻し、にこりと笑う知らない男。
その笑顔に何故かざわりと胸騒ぎがした。
……何だ?この感じ…………知ってるような……言うなら、普段からよく知ってるような……
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