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「毬亜奈さん。あなたさっきアイスティーを注文しましたよね。それをどうして敦史さんが飲んだんですか」
多聞が毬亜奈に問いかけた。
「それは……敦史君が飲みたいって、言ったので……」
「本当にそうなんですか」
「え……」
「僕の推理ではこうです。毬亜奈さんは実は敦史さんに片思いしていて、敦史さんがアイスティーを飲みたいと言ったのを口実に、間接キッスをしたんじゃないですか」
その言葉に毬亜奈は少し眉根を寄せて言い返した。
「違います、そんなんじゃありません。私はただ……純粋に、敦史君にアイスティーをあげただけです」
「なるほど……しかし、僕は見ていました。さっき敦史さんは途中トイレに行くといって席を立ちました。その隙にあなたは佳住さんにも大方『あっ、UFOッ』などと指をさして注意を逸らせたのでしょう。その間にあなたはアイスティーに毒を入れた……」
多聞は、これしかない、と一人納得したように肯いた。
「変な言いがかりつけないで下さい……っ。大体、私が敦史君を好きだったとして、どうして敦史君を殺さなきゃいけないんですか」
「それは……予想外の質問でした」
「……おい」
真剣な顔でボケをかます多聞に英人がツッコんだ。それにしても何してんだこの刑事。
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